玄関のリフォームをお考えの皆様、今回は玄関引き戸の魅力と実際のリフォーム費用、さらに採光・断熱・防犯などの各対策について詳しくご紹介します。和風・洋風を問わず、幅広い住宅にマッチする引き戸の特徴を理解し、最適な選択をするための参考にしてください。

1. 玄関引き戸の種類と特徴
玄関引き戸には以下の4種類があります。各タイプの特徴を表にまとめましたので、ご確認ください。
引き戸の種類 | 特徴 |
---|---|
引き違い扉 | 2枚の戸が左右どちらでも移動可能。最も一般的で幅広い住宅に対応。 |
片開き扉 | 2枚の戸のうち、片方を左右どちらかにスライドして開閉。 |
2枚(3枚)片開き扉 | 2〜3枚の戸が連動し広い開口部を確保。ベビーカーや車椅子にも便利。 |
両引込み扉 | 2枚の戸を左右の壁側に引き込むことで、開口部を広く確保可能。 |

2. 玄関引き戸のメリット・デメリット
メリット
- 開口部が広く取れる
限られたスペースでも扉を横に開けるため、室内外の動線を確保できます。
・ベビーカーや車椅子の出入りもスムーズに。 - 扉の開閉で邪魔にならない
玄関前の門扉との干渉が少なく、開閉時もストレスフリー。 - 安全性の向上
指を挟むリスクが少なく、小さなお子様や高齢者にも安心。
デメリット
- 気密性の低下
開閉時間が長くなるため、開き戸に比べ気密性が劣る場合があります。
3. 採光性・断熱性・防犯性のポイント
採光性
- 引き戸は広い開口部が確保できるため、自然光を多く取り入れる設計が可能。
・明るい玄関空間を実現し、室内全体の雰囲気向上にも寄与。
断熱性
- 玄関扉は各メーカーで標準的な断熱仕様が規格化されているため、引き戸と開き戸で大きな差はありません。
以下は地域ごとの断熱仕様の目安です。
地域 | 断熱仕様 |
---|---|
関東以南 | K4仕様 |
寒冷地域 | K3仕様 |
北海道・東北 | K2仕様 |
防犯性
引き戸の防犯面には以下のリスクがあるため、対策が必要です。
- ガラス部分の破壊リスク
- 戸同士の隙間による不正操作
- ピッキングリスク(扉の厚み・キーの短さ)
防犯性を高める鍵の種類と特徴は、以下の表を参考にしてください。
鍵の種類 | 特徴 |
---|---|
ディンプルキー | ピッキング防止効果が高く、カギ穴壊しにも強い。 |
脱着サムターン | サムターンを取り外せるため、ガラス破り対策に有効。 |
キーレスエントリー | 自動施錠機能で鍵の締め忘れを防止。 |
また、防火基準にも注意し、地域の規定を満たした玄関ドアを選ぶことが大切です。
4. 玄関引き戸リフォームの費用と方法
玄関引き戸リフォームには、現状の間口サイズをそのまま活かす方法と、間口サイズ自体を変更する方法があります。
リフォーム方法と費用の目安
リフォーム方法 | 特徴 | 費用の目安 |
---|---|---|
ドアのみの入れ替え | 現状の間口サイズに合わせ新しい引き戸に交換。 | 約30万円台 |
間口サイズ変更を伴うリフォーム | 外壁を含む改修工事となり、デザインや機能の幅が拡がる。 | 約50万円台 |
- カバー工法
一般的にドアのみ交換の場合、カバー工法が採用され、工事期間はほぼ1日で完了、費用も比較的抑えられます。
5. まとめ
玄関引き戸は、日本の住宅に適したデザインと機能性を兼ね備えています。
【メリット】
・広い開口部で採光性向上、動線確保が可能。
【デメリット】
・気密性がやや低い点に注意が必要。
また、断熱や防犯対策も十分に行えば、安心して使用できる玄関扉となります。リフォーム方法もドア交換のみから間口変更まで、ニーズに合わせた選択が可能です。ご家庭の状況や安全性・快適性を考慮して、最適な玄関引き戸リフォームを実現してください。