風除室(ふうじょしつ)を後付けすることは、日本の寒冷地や風の強い地域では特に一般的です。この設備は、住宅の玄関に設置される小さなスペースであり、外部からの風や冷気、汚れを遮断する役割を果たします。風除室の設置には多くのメリットがありますが、その反面、費用や設置方法に関する理解も重要です。この記事では、風除室を後付けすることの具体的なメリットと、その設置にかかる費用について詳しく解説します。
風除室を後付けするメリット
メリット | 説明 |
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光熱費を抑えられる | 冷気の流入を防ぐことで、暖房機器の使用量が減少し、光熱費の節約に繋がる。 |
玄関の劣化を抑えられる | 風除室が玄関ドアや玄関内部を紫外線や風雨から守り、劣化を防ぐ。 |
悪天候でも玄関ドアの開閉がしやすくなる | 強風や台風の日でも風除室があることで、玄関ドアの開閉が容易になる。 |
冬場の室内温度が下がりにくくなる | 風除室を設置することで、冬の冷たい外気が直接室内に流れ込むのを防ぎ、室温が安定しやすくなる。 |
花粉や汚れを屋内に持ち込まずにすむ | 風除室内で花粉やほこり、泥を落とすことで、室内の清潔を保ちやすくなる。 |
収納場所としても活用できる | ベビーカーやスポーツ用品、自転車など、屋外に置きたくない物を収納するのに便利。 |
風除室の種類と後付け費用
風除室にはいくつかの種類があり、設置する玄関の形状や設置費用によって選択することが重要です。以下に、風除室の主な種類と後付け費用の目安を示します。
風除室の種類 | 後付け費用の目安 |
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I型 | 18万円前後~ |
L型 | 23万円前後~ |
C型(コ型) | 32万円前後~ |
I型風除室
I型風除室は、外壁を凹ませる形で玄関がある場合に適しています。このタイプは、正面をふさぐ形で風除室を取り付けます。玄関の上部と左右にすでに壁があるため、比較的容易に設置でき、費用も抑えられます。設置幅によりますが、工事費を含めて18万円前後からと、他のタイプよりも安価です。
L型風除室
L型風除室は、玄関が建物の角の奥まった位置にある場合に適しています。この場合、玄関上部と片側の壁がすでにあるため、不足している面を補う形で設置します。L型はI型よりも面が一つ増えるため、取り付ける面積が広がり、費用は23万円前後からが目安です。
C型(コ型)風除室
C型(コ型)風除室は、外壁と同じ面に玄関ドアがある場合に適しています。このタイプは、庇を屋根にする形で風除室を設けます。C型(コ型)は、3面に壁を設ける必要があり、I型やL型よりも費用が高くなる傾向があります。工事費を含め32万円前後からが目安です。
風除室を後付けする際の注意点
風除室を設置する際には、いくつかの注意点があります。これらを事前に理解しておくことで、後悔のない設置が可能になります。
風除室には風通し窓を検討する
風除室はガラス張りになっていることが多く、夏場には直射日光による熱気がこもりやすく、冬場には冷気との温度差で結露が発生しやすくなります。風除室にはオプションとして風通し窓を付けることができ、これにより夏の熱気や冬の結露を効果的に管理できます。風通し窓の設置を検討することで、風除室内の快適性を向上させることができます。
建築確認申請が必要になるかどうか確認する
風除室を設ける場合、増築扱いとなり建築確認申請が必要になることがあります。建築基準法では、「天井と壁がある空間は建築面積に含める」と定められており、風除室の設置がこれに該当する場合は申請が必要です。特に玄関が外壁と同じ面にあり、これまで庇しかなかった場所を囲う形でC型(コ型)の風除室を後付けする場合は注意が必要です。建築面積に含まれる場合、固定資産税にも影響する可能性があります。